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糖尿病予防は「プレート法」で栄養素のチームワークを強化

糖尿病の予防や改善には、何をどのくらい食べたのか、内容と量をきちんと知っておく必要があります。そんなときのおすすめの工夫を糖尿病専門医である大坂貴史先生に、具体的なレシピを管理栄養士の沼津りえさんに伺いました。

栄養素はチームワーク! 量とバランスをプレート法で覚える

普段の食事で、おかずを食卓にどのように出しているでしょうか? 大皿や大鉢でドンと出して、家族とシェアして食べていませんか? これだと、自分が何をどれだけ食べたのかがわかりにくいデメリットがあります。

 

糖尿病の予防や改善には、食べたものの内容と量を把握することがとても重要だと大坂先生。そのためには、料理は一緒盛りではなく、一人ずつに分けて出すことが大切だといいます。小皿や小鉢などで用意するのでもよいのですが、「洗い物が増えて面倒…」という声も聞こえてきそうです。

 

「プレート法なら、後片づけも簡単で、おかずの量やバランスがひと目でわかります。これはアメリカの学会で推奨されているもので、直径23cmほどの皿に、半分を『野菜ゾーン』、もう半分の1/2ずつを『タンパク質ゾーン』と『炭水化物ゾーン』にします。

 

こうすると量とバランスが一目瞭然です。

 

『野菜ゾーン』には、デンプン質の少ない野菜。ブロッコリーやアスパラガス、にんじん、小松菜、ほうれん草、レタス、キャベツなどの野菜。これらは血糖値が上がりにくい、ビタミン、ミネラル、食物繊維のゾーンです。じゃがいもやさつまいもなどのデンプン質が多いものは、『炭水化物ゾーン』に含めます。

 

『タンパク質ゾーン』にはできるだけ脂肪分の少ない、魚、鶏肉、豚や牛ならヒレやももなどの赤身肉、卵のおかずをのせます。

 

『炭水化物ゾーン』は米でOKです。もち麦、押し麦、雑穀などを混ぜれば、糖質を抑えて食物繊維を増やすことができます。精製されていないオートミールや雑穀パンなどでもいいでしょう。いも類もここに入れます。炭水化物は食物繊維が豊富なので、適量をとることは、血糖値の上昇を抑える働きがあります。

 

これを何度か実践すると、自然に何をどれだけ食べたらいいのかわかってくると思います」(大坂貴史先生)

 

記事が続きます

野菜は温と生で、アジはチーズ焼きで脂肪分をカット!

「野菜は生のものだけだとたくさん食べられないので、野菜ゾーンの半分はさっとゆでた温野菜のおかずにしました。メインのおかずになるタンパク質ゾーンはアジのおかずに。フライパンで焼く際に、油の代わりにピザ用のチーズを溶かして、カリカリに焼いて仕上げています」(沼津りえさん)

 

プレート料理

糖尿病レシピ プレート法 仕上がり

「アジのチーズ焼きの味つけはチーズの塩分と風味のみ。これにより、油分と塩分を減らすことができます。チーズの量が多すぎると塩気が強くなるので、入れすぎないように注意してください」(沼津さん)

 

エネルギー389㎉、タンパク質28.5g、脂質19.5g、糖質14.2g、食塩相当量1.7g

 

<野菜ゾーン>

青菜とチーズのあえ物

【材料 1人分】
アボカド:50g
ゆでたほうれん草と小松菜:合わせて50g
カッテージチーズ:30g
塩・こしょう:各少々

 

【作り方】
1 アボカドは食べやすい大きさに切る。ほうれん草と小松菜は2㎝幅に切る。
2 1とそのほかの材料を合わせる。

 

葉野菜とミニトマトのサラダ

【材料   1人分】
葉野菜:50g
ミニトマト:2~3個
オリーブ油:小さじ1/3
塩・こしょう:各少々

 

【作り方】
1 葉野菜は食べやすい大きさにちぎり、ミニトマトは縦4等分に切る。
2 1を皿に盛り、オリーブ油と塩、こしょうを混ぜてかける。

 

記事が続きます

<タンパク質ゾーン>

アジのカリカリチーズ焼き

【材料 1人分】
アジ(三枚おろし):1尾(正味約100g)
ピザチーズ:15g

 

【POINT】

糖尿病レシピ プレート法 アジのチーズ焼き ポイント

チーズが溶けて、さらにカリカリになるまで触らないのがポイント。チーズの焼き具合が甘いうちに触ると、きれいに裏返せなくて、グズグズになることも!

 

【作り方】
1  アジを4等分に切り、ペーパーでよく水気を拭く。
2 フライパンにチーズを4カ所に置き、その上に1のアジを、皮目を下にしてのせる。
3  中火にかけ、チーズが溶けてカリッとなるまで3~4分焼く。
4  フライ返しでチーズごとすくって裏返し、さらに1~2分焼く。

 

<炭水化物ゾーン>

全粒粉パン

【材料 1人分】
全粒粉パン:1切れ(約30g)

【作り方】
半分に切って、好みで軽くトーストしてもOK。

 

アジのフライはおいしいけれど、脂質が多めだし、家で揚げるのは大変。これなら簡単に、香ばしく食べることができます。パンにのせて食べても美味!

 

 

【教えていただいた方】

大坂貴史
大坂貴史さん
糖尿病専門医・指導医、総合内科専門医
Twitter Instagram

京都府立医科大学卒業。京都南病院、京都第二赤十字病院を経て、京都府立医科大学大学院博士課程で医学博士を取得。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学 内分泌代謝内科学講座 客員講師。糖尿病と筋肉、糖尿病運動療法が専門。YouTubeやXで医療情報を発信。著書に『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)、『75歳の親に知ってほしい! 筋トレと食事法』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。 大坂貴史 先生 著書 書影

 

【レシピ・料理】

沼津りえ
沼津りえさん
管理栄養士、料理研究家
公式サイトを見る
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管理栄養士・調理師、料理教室COOK会主宰。大手食品メーカーで管理栄養士として勤務。その後、製菓・製パン専門学校に通いながら、老舗洋食レストランで料理の基礎を徹底的に学ぶ。結婚を機に子育てをしながら料理教室COOK会をスタート。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、各メディアで活躍。管理栄養士の知識を生かして、企業向けのレシピ開発も行う。最近ではYouTubeが好評で、著書に『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)、『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)など多数。 沼津りえ 著書 書影

 

 

撮影・スタイリスト/沼津そうる 取材・文/山村浩子

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