真冬でも布団をはぐほどのホットフラッシュ。すぐにHRTをスタート
ジュノ・ヴェスタ クリニック八田
47歳・医師 畠中 恵さん(仮名)
【HISTORY】
・44歳……疲れや体力の衰えを感じ始め、漢方薬やエクオールサプリメントの服用をスタート
・47歳……強烈なホットフラッシュで夜中に目が覚めるようになり、HRTを開始
今年2月からHRT(ホルモン補充療法)をスタートしたという畠中 恵さん。きっかけは、突然起きた強烈なホットフラッシュでした。
「寝ているときに突然暑くなって、真冬なのに夜中に布団をはいでしまうほどでした。
毎晩、暑さで目が覚めて布団をはぐ→寒くて目が覚め布団をかけるを繰り返すうちに、だんだん眠れなくなってしまって…。
日中の仕事にも影響が出てきたので、すぐにHRTを始めました」
畠中さんが勤務するクリニックでは、院長をはじめスタッフや患者さんの多くがHRTを実施していたため、治療への抵抗はなかったといいます。
「数年前から漢方薬やエクオールサプリメントを服用していて体調は落ち着いていたのですが、それでもホットフラッシュや不眠などの不調が現れてきたので、現状のケアだけでは抑え切れないんだなと。
日常生活に支障が出始めていたこともあり、迷いはありませんでした」
黄体ホルモン剤による副作用も経験
現在は、塗るタイプの「ル・エストロジェル」と、黄体ホルモン剤の「デュファストン」を使用。黄体ホルモン剤は当初、天然型黄体ホルモン剤の「エフメノカプセル」を服用していましたが、畠中さんは相性が悪かったようです。副作用が出てしまい、薬の種類を変更することに。
「眠気と吐き気、頭痛に加えて胃もたれや胃痛などの副作用が出てしまって。服用量を半分にしても副作用が出てしまうので、エフメノカプセルからデュファストンに変えました。
普段、患者さんを診ていても、エフメノカプセルで副作用が出ることはごく稀なんです。副作用の有無は本当に個人個人で違うのだと実感するきっかけにもなりました。
もし、HRTを始めたけれど体調が悪くなった…という方は、黄体ホルモンの薬が合わない可能性があります。私のように薬を変えることで落ち着くケースもあるのではないかと思います」
副作用はあったものの、実際にHRTを始めてみると驚くほど早く効果を実感したといいます。
「ホットフラッシュは、ジェルを塗って3日目にはなくなりました。ここまで即効性があると思っていなかったので私もびっくりしました。
ホットフラッシュで悩んでいる方は、HRTを始めればすぐに効果を実感できると思います」
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“やめ時”は、5年ほど続けたうえで体調と相談
HRTのやめ時については、「ひとまず5年ほど続けてから考えるつもりです」と畠中さん。
「乳がんや子宮体がんなどのリスクを気にされる方もいますが、5年以内であればリスクは増えないことがわかっていますし、5年以上継続する場合も、使用する薬や生活習慣によって、リスクの変化は微々たるものだといわれています。
私も5年くらいは続けて、それ以降は体調をみながら考えようと思っています。
クリニックでも、HRTをやめてから症状がぶり返した場合は再度HRTを実施する方もいますし、患者さんにも『体に合っていれば長く続けていけますよ』とお伝えしています」
HRTを始めてまだ2カ月ということもあり、これからの変化にも期待しているそう。
「患者さんのお話を聞いていると不眠が改善される方も多いですし、『体調がいい』と話される方もいるので、私の疲れやすさもこれから改善されていくのかなと期待しているところです。
もし、エストロゲン低下による更年期症状が現れているのであれば、婦人科で相談しながらHRTを試してみることをおすすめします」
イラスト/sino 取材・文/国分美由紀
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